ペンキを扱う職人であればペンキが衣服や手に付いてしまった時の簡単な落とし方くらい知っていて当然! …かもしれませんが、もしも万一、知らないという方のために今回はペンキ落としのノウハウを解説します。
油性ペンキは、なるべく乾いていない状態の時に落とすのがベターです。付いてすぐなら台所用中性洗剤でも落とすことができるでしょう。その際は繊維を擦って傷めてしまわないよう、スポンジ等に洗剤を染み込ませて上から叩くようにしてペンキを取るようにします。女性がメイク落としに使うクレンジングオイルも使えます。
半乾き程度ならマニキュアの除光液やベンジンを使う方法があります。ペンキの付いた生地の下にタオルなどを敷き、裏から除光液などを染み込ませた綿棒でペンキの付いた部分を軽く叩きます。ペンキが溶けてきたら古い歯ブラシなどでさらに叩くとペンキが落ちていきます。
ペンキが付いて2時間以内、あるいは爪やヘラでこすってみてペンキが剥がれるようならならこの方法で落ちる可能性があります。ベンジンよりもよくペンキが取れるのはご存知ペイント薄め液(成分は主にシンナー)で、作業でペイント薄め液を使っている人ならこれを使うのが最も手っ取り早く効果的です。
水性ペンキは水に溶けるので、油性ペンキより簡単に落とすことができます。ただ、その場合も単にジャブジャブと水洗いするよりは、手間をかけて丁寧に洗ったほうがきれいに落ちます。まず洗面器にお湯を入れ、ペンキの付いた衣服を浸します。あとはスポンジ等に台所用中性洗剤を染み込ませて上から叩く方法を試してください。
水性ペンキでも、付いてから時間が経ってしまうと取れづらくなるので、なるべく早めに洗うようにしましょう。
特に油性ペンキの場合、ベンジンやシンナーを使うとペンキは取れても輪染みができる場合があります。作業着ではなく通常の衣服に付いたペンキをきれいに取るならクリーニングに出すのが確実です。毛羽立ちしやすい素材やダウンジャケットに付いたペンキはやっかいなのでプロに相談する方が無難でしょう。
クリーニングに出す場合も、ペンキが付いた直後にタオルを下に敷き、中性洗剤を付けて上から叩く応急処理をしておくと衣服へのダメージが軽減できます。ただ、シンナーなどを試した後だと逆に落ちにくくなることがあるので、こちらは要注意です。通常のクリーニング店で落ちない時はシミ抜きの専門店などを探してみる方法もあります(ただし、値段は張ります)。
ペイント薄め液は手に付いたペンキも落とせるので重宝します。ただ、ペンキが取れたあとは石鹸と水でよく洗い流しておきましょう。
他には家でできるちょっとした裏ワザもあります。乾き切ったペンキの上に木工用ボンドを薄く塗り、ドライヤー等で乾かします。木工用ボンドが完全に乾いたら、端っこからゆっくりとボンドを剥がしましょう。するとボンドにペンキがついてきれいに取れてしまうというわけです。
この方法は手だけではなく机などに付いたペンキも取れることがあります。またテレビのリモコンの汚れも木工用ボンドを塗って放置し、翌日にボンドを剥がすときれいに取れます。
ただし、肌が弱い人は注意してください。木工用ボンドを皮膚に使う場合、皮膚が剥がれたり炎症を起こしたりすることもないわけではありません。自己責任で行ってください。
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