あなたの街で探す!見つける!【あっと現場】で社員・バイトのお仕事探し|現場のコツ 第十六回『左官工(塗り壁)の仕事内容について』

ナチュラルで健康的な暮らしを希望する人が増えたことで、再びその魅力が見直されているのが塗り壁です。漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)といった昔ながらの自然素材を使った壁は、素材感と暖かみがあるだけでなく調湿作用も高いため、湿度の多い日本の暮らしにはぴったりです。
今回は、コテ一つを使ってさまざまな素材を美しく仕上げていく塗り壁のプロフェッショナル「左官工」について、その仕事内容を詳しく紹介していきます。

左官工の仕事内容について

左官工の仕事で最も多いのが、コテという道具を使って建物の壁や床、天井などを塗って仕上げることです。

漆喰や珪藻土などだけでなく、モルタルやセメントなど、どんな素材であっても高い技能によって思い通りに仕上げていきます。

健康的な住まいが注目されはじめたことから、新築物件だけでなく、マンションのリノベーションやリフォームなどでも塗り壁を採用するところもあるため、伝統的な左官工法と卓越した職人技に改めて注目が集まっています。

左官工の一般的な大別の仕方としては、戸建て住宅をはじめとした建物の内壁や外壁を専門とする「町場」と、大手ゼネコンの協力会社としてマンションやビルなどの壁を下塗りする「野丁場」の2つに分けられています。いずれの仕事も、高い技術と精度、緻密さやセンスが求められるという点では同じでしょう。

一方、塗り壁以外にも、建築工事におけるタイル貼り、レンガやブロックの積み上げ、コンクリートの床仕上げも左官工の仕事です。

建築現場においてさまざまな作業を行う左官業ですが、その仕事内容は会社や現場によっても異なります。

左官工事の歴史について

左官工事のはじまりをたどっていくと、その歴史の古さに驚かされます。竪穴式住居で人々が暮らしていた縄文時代に、土を丸めたものを積み上げて壁を作ったことが起源だという説があります。

その後、奈良時代には本格的な左官工事が百済(くだら)から伝わり、法隆寺の土塀などにこの技術が使われたそうです。その後、仏教建築において壁に仏画を描くために、石灰を上塗りとした白土壁が普及したと言われています。

しかし白土壁には、当時は大変貴重だった米を糊材として用いていたため、一般の住宅には使用されることはなく、権力者の所有する建物にのみ用いられていたようです。

このようにして、江戸時代頃までには土の色を調節したり、砂や繊維を混ぜたりといった技術が確立していき、塗り壁によって多彩な表現が可能となりました。また、漆喰によって壁全体を覆うことで防火性が高まることが浸透し、商人の土蔵や町家へと普及していったのです。

左官工に向いている人はどんな人?

左官工の仕事は、時間と手間のかかる作業がほとんどです。下塗り、中塗り、上塗りとひたすら塗る作業を重ねたり、小さなタイルをひたすら敷き詰めたりと、一つの作業を根気よくこなしていきます。そのため、細かな仕事でも途中で投げ出さない、愚直で責任感の強い人が向いています。

また、左官工にとって最も大切なことは何と言っても高い技術です。残念ながらそれは一朝一夕で身に付くものではなく、コツコツと経験を重ねながら何年もかけて技能を身に付ける必要があります。左官工になるためには、見習いとして経験を積みながら技能を高めセンスを磨いていくことに喜びを感じられるか否かがポイントとなると言えるでしょう。

古い歴史のある左官工の伝統的な技術は、これからの建築現場でも欠かせないものです。少しずつ経験を積み重ねていけば、「左官職種の技能検定」や「登録左官基幹技能者」という資格を取得することもできますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。