大工職人、内装工、塗装工、電気技師など、建設現場や高所で仕事をする人たちにとって、腰道具はとても大切なもの。
両手が自由になることで安全が確保されることはもちろん、効率よく作業をするためにも欠かせないアイテムです。
職種や経験などによって入っている道具の種類は千差万別で、腰袋にはその人の個性が出ると言われています。
ここでは、職人の命ともいえる腰道具や腰袋について詳しくみていきましょう。
職人さんが腰袋に入れて持ち歩く道具類のことを「腰道具」といいます。
使用する道具は職種や経験によって大きく違いますが、必要な腰道具を入れた腰袋の総重量は重たいもので10キロ近くなるものもあるようです。この腰袋の中に入る一般的な腰道具は、次の通りです。
大工職人
電動ドリル、電動ドリルの替え刃、丸ノコ、電卓、玄翁(金槌)、インパクトビット、カッターナイフ、スケール(コンベックスともいう)、墨壷、水平器など。
軽量職人(内装)
タケノコ(ドリルで穴をあける道具)、ペンチ、玄翁(金槌)、マジック、垂直定規など。
ボード職人(内装)
プラスドライバー、塩ビのこぎり、カッターナイフ、カッターナイフの替え刃、定規、鉛筆など。
クロス職人(内装)
ノリ刷毛、撫で刷毛、ステンレス地ベラ(サイズ違いを複数枚)、角ベラ(竹ベラ)、スムーサー、カッターナイフ、カッターナイフの替え刃、刃折器、釘抜き、千枚通し、定規、ジョイントローラー、ジョイントコークなど。
電気技師
電工ナイフ、電工ハンマー、ペンチ、ドライバー(小型のインパクトドライバー)、ニッパー、メジャー(スケール、コンベックス)、テープホルダーなど。
腰袋の選び方で最も大切なことの一つは、その腰袋が自分に合ったものであるかどうかということ。
腰袋の形状、大きさ、重さなど、作業する場所や使う道具によっても選ぶポイントは異なりますが、実際に自分の腰につけてみた時にしっくりくるかどうかが重要です。腰袋の素材としてはナイロン製のものもありますが、圧倒的に人気なのは耐久性に優れた革製の腰袋です。
価格はナイロン製のものと比べると高くなってしまいますが、その分長く愛着を持って使い続けることができるのが魅力です。
また、自分が使う工具の出し入れがしやすいかどうか、必要な工具類がしっかりと収納できるかどうかも必ず確認するようにしましょう。
特に、高所作業などでは腰袋から工具が落ちることが重大事故につながる場合もありますので、その点も考慮した腰袋選びをすることが大切です。
どの職人さんも、見習いのうちは雑用を多く任されることが一般的ですから、最初は大きめの腰袋を用意しておくといいでしょう。
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第十八回『大工が使うハンマーの種類には何種類あるの?』
第十七回『解体工の仕事内容について』
第十六回『左官工(塗り壁)の仕事内容について』
第十五回『塗装屋(ペンキ屋)の仕事内容について』
第十四回『配管工の仕事内容を知ろう』