大工職人、鳶職(とびしょく)、左官職人、内装職人、庭師など、外作業が中心のいわゆる“ガテン系”の仕事に就いている人たちにとって、冬の寒さ対策は欠かせません。
なぜなら、寒さで手先や体が上手く動かないことで、大きな事故やケガを引き起こしてしまうこともあるからです。ここでは、体を効率よく温めるためのコツや服装の選び方など、外仕事に関わる人たちの寒さ対策について詳しく説明していきます。
寒さ対策をしようと考えたとき、下記の3つのポイントを意識することが重要です。下記で1つずつ見ていきましょう。
風を通さない素材を一番上に着る
風は毎秒1m強くなると、私たちの体感温度が1℃下がると言われています。気温がさほど低くなくても、風が強い日により寒く感じるのはそのためです。寒いからといって何も考えずに洋服を着込むのではなく、風を通さない素材の上着を上手に組み合わせるようにしましょう。
重ね着をする
分厚い服を着て暖をとるのではなく、薄い服を何枚も重ね着するようにしましょう。そうすることで、服と服の間に空気の層がいくつもできるため、効率的に体を暖めることができるはずです。
また、作業をしていて体温が上がってきたときでも、重ね着を減らしていくことで温度調節をすることができます。ただし、重ね着によって動きやすさが損なわれないように気を付けましょう。
カイロを貼る
外仕事は思った以上に体が冷えるもの。洋服だけで暖を取るには限界がありますので、カイロを併用するようにしましょう。よく動き回るガテン系の仕事に就く人おすすめなのは、洋服に貼るタイプのカイロ。お腹や腰回りなど部分的に貼るだけで、体全体を効率よく温めることが可能です。
寒さ対策の基本は、首、手首、足首の3つの“首”を温めること。首回りが冷えると寒さを感じやすいので、ネックウォーマーやマフラーなどを利用して、手首は裏起毛の手袋で温め、足首はレッグウォーマーや足首が隠れる長さのソックスを履いて暖めるのが効果的です。
大工仕事の場合、足元をブーツで保温すると動きにくく適していませんので、裏起毛の靴下やタイツなどを上手に組み合わせて、足首を温めるようにしましょう。長時間外で仕事をしていると足元から冷えてきますので、カイロを足裏やお腹回りなどに貼って下半身を中心に温めるのも効果的です。
寒さ対策をする上で大切なのは、通気性の良いものを選ぶということです。ヒートテックなどの洋服は暖かさの確保ができる反面、通気性が悪く、汗をかいたときにかえって体を冷やしてしまいかねません。保温性と吸湿機能の高い下着を選ぶようにしましょう。
おすすめは、冬登山用のインナーウエア。保温力と汗冷えしない機能が備えられているため、体を動かす外仕事にもぴったりです。
また、首回りの冷え予防としてはタートルネックのインナーもいいでしょう。さらにももひきや腹巻き、マフラーなど、部分的にあたためるアイテムを上手に組み合わせることで、より効率的に暖を取ることが可能です。
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第二十五回『大工道具の「のみ」ってどんなもの?』